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2017年4月27日 (木)

十一 聴音の試験

 ソルフェージュという科目の中に、聴音という課題がある。

 先生がピアノを弾き、それが何調かを感じ取り、右手、左手の旋律を聴き取って、五線紙に書き取っていく、というものだ。

 これはもう、五、六歳くらいまでの音感や、その後小さい頃に受けた訓練によってだいたい決まってしまう。大人になってから特訓しても難しい。私は幼い頃から自然に絶対音感はついていたので、この試験は楽勝であった。ただ、リズム感が悪いので、ちょっと考えてからじゃないと楽譜に起こせないのが厄介ではあった。

 クレ読み(ト、ヘ、ハ音記号で歌うこと)が得意なベルギー人たちは、何故だかこのディクテ(聴音)は苦手らしかった。試験中、あちこちで「ディフィシィ〜ル…(難しい)」という呟きが聞こえて来る。黙ってやれ。で、日本とは違うのは、試験中に質問を受け付けるということで、へぇ〜、なんて思ってたのだが、途中、手を挙げたベルギー人、

「今のは何の音ですか?」

 と訊いていた。(私、心の中で大爆笑)

 フランス語がサッパリわからない頃だったけれど、それだけは理解できた私。おいおい、それが試験課題だよ。面白すぎて、その後、試験官が何と答えたかまでは覚えていない。そんなわけで、あちらの試験は厳しかったけれど、何につけても人間臭いというか、音楽重視の生き生きした取り組みという感じでありました。

 結果、私はソルフェージュの授業はめでたく免除となり、残すところ他の学科のみとなったわけである。

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