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2017年5月 9日 (火)

三十八 日本の友人たち

 夏休みの間、私はたくさんの友人たちに会った。

 私は男女共に友達が多いが、結婚する前は、本当に付き合いが多かったと思う。別に今、自粛しているつもりはないが、結婚しちゃうと家事やら仕事やらで忙しくなるし、なかなか友達に会う機会はなくなる。ちょっと寂しいが、本当のことである。

 一時帰国すると、まわりの人々からそれはそれはチヤホヤされた。あ〜、チヤホヤされてんなァ私。と思ったものである。大学へ行けばたくさんの後輩たちが寄ってきて話を聞きたがったし、先輩たちは可愛がってくれ、先生方は、どうしていたかと尋ねに来てくれた。大学で呼ばれて、演奏したりもした。そしてまた、友達以外にも近づいて来る者たちがいた。留学に興味があったり、これから先の仕事に、私が便利だと思ったりする人々である。そういうのは本能的に察知したので、私の人を見る目は意外と鋭かったりする。だけど基本、来る者拒まずなので、そんな人たちとも楽しく付き合うことにした。やっぱり裏切られちゃったりもしたけど、まあいい。

 昔からの友人たちともよく会った。私の友達は、なぜか海外に出る者たちが多かった。特に、高校時代の友人たちである。彼女らは、語学留学や、美術留学、それに海外青年協力派遣まで、フランス、イタリア、イギリス、アメリカ、それにアフリカなど、バラエティーに富んだ個性溢れる友人層であった。この秋から留学を決めている幼馴染みもいたので、ヨーロッパでまた会おうという約束をしつつ、夏休みもよく遊んだ。そうでない友達たちは、私の帰りをとっ捕まえて飲みに出かけ、皆、面白がって話を聞いてくれた。仕事をしていた友人たちは皆、結婚の時期だったりしたので、彼女らの恋バナを聞くのもまた楽しかった。

 私は元カレとも良き友達に戻っちゃったりするので、彼らとも会った。皆一様に励まして、応援してくれた。嬉しかった。二十歳の頃、大好きだった音楽家の彼も会ってくれたし、高校時代のマニアックな彼もまた、一緒にラーメン食べに行っては語り合ったりして(イギリス留学してた彼ではない。また別。帰国後、再び恋愛関係となる。)私の鬱積した苦しい一年目の留学生活の想いも、霧が晴れて行くようであった。

 モスクワで出会った横浜国大の男の子とも会った。彼は私みたいな音楽留学生の生活に非常に興味を持っていて、何人かの同級生たちを誘ってくれて、みんなでワイワイ飲んだりした。実に爽やかなメンバーたちであったが、私のまわりの友人たちとはまた、異色だったので、へえ、普通の大学生って、こんな感じなんだなあ。なんて感心したりしていた。彼とはその後、北京の彼氏の相談にもよく乗ってもらい、帰国後もしばらく年賀状のやりとりをしていたが、彼の結婚後、何となく連絡は途絶えた。大好きな彼女と結婚したのは知っていたので、今も幸せにやっていることを願う。

 そしてそんな交友関係の広い私に我関せず、北京の彼は彼自身の道を黙々と歩いていた。
「カオルちゃんどうせ浮気してるんでしょ、そこんとこは全く信用してないから。」
 と言いつつ、ニヤリと笑う。図星であったが、お互い様である。
 この間、十五年ぶりに再会した時、過去の暴露話に大いに盛り上がり、お互いゲラゲラ笑いながら懐かしんだ。

 私はたくさんの楽しい友人たちに恵まれて、幸せだった。そして今も。どうかみんなでこの記事を読んで笑って下され。

 楽しい一時帰国はもう少し続く。

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