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2017年5月 8日 (月)

三十四 留学生活あれこれその二

 海外で生活してみると、今まで気付かなかった日本の良さや悪さがわかってくるんだけど、私が暮らした四年間で、一番ヨーロッパの良いところと言えるのが、挨拶をきちんとするところである。

 いや、きちんと、ではない。気持ち良く当たり前に、それが習慣となっているというのか。

 人通りの少ない、自宅前の道ですれ違う、見知らぬ人とも「ボンジュール」
 お店に入った時にも、 スーパーのレジ係の人とも「ボンジュール」
 カフェで注文する時も、出先のトイレに座ってるマダムにも(向こうではトイレ掃除のおばさんがいて、チップを払って入るのだ)
 皆にボンジュール、と言って挨拶をする。

 とにかく、いつもいつも挨拶をしていたから、日本に一時帰国をすると、コンビニでもどこでも、「いらっしゃいませ」と言われて何も挨拶しないということが気持ちが悪くて仕方がなかった。今でも私は、レジに並ぶ時はレジ係の人に、「お願いしま〜す。」と言ってカゴを差し出している。無言でいることは、できない。

 日本ではお客の方が威張っているけれど、向こうでは違った。お店に入れば、店員の方がプライドを持ち、常に対等か、上から目線であった。「貴女にはこれは似合わない、こちらの方がいいわ。」と言われたり。でもお世辞がないやり方はとても気分が良かった。日本で洋服店などに入ると、一様に「いらっしゃいませぇ〜」と黄色い声を出されて、今でも気色が悪い。「うるさい黙っとれ!」なんて叫びそうになったりね。

 一度、向こうのヴァカンスで他の国へ行った時、挨拶をしてお土産店に入って行くと、その店のマダムが、

「あなたたちは、日本人?日本人はね、たいてい挨拶をしてくれないのよ。ハローって言って入って来てくれないの。そして、中を見るだけ見て、なんにも言わないで、出て行く。日本に帰ったらみんなにぜひ、気持ち良く挨拶をしてくれるように伝えてね。悲しいって言ったらないのよ。」

 と言っていた。お店から出て行く時も、「ありがとう、さようなら」と言うのは常識である。

 ベルギーでは、小さな子どももイッチョマエな紳士、淑女だ。
 バスで席を譲ってもらった三、四才くらいの男の子が、
「メルシー、マダム!」
 と言っているのを見て、私は感動した。

 日本ではたいてい、お母さんがお礼を言うが、子どもはモジモジして言えない。うちの子だって言えてない。どうやらそれは、「サンキュー」「メルシー」などの、言いやすい言葉、気さくな雰囲気にあるのと、お国柄の性格もあるらしい。

 ある調査で、欧米人、アジア人など、同じ年くらいの子どもを集めてゲームを始めたところ、最初のうちお母さんの影に隠れてしまった子のだいたいがアジア人の子、そして我こそはと前に出たのは、欧米人の子だったらしい。

 アジア人は奥ゆかしく、引っ込み思案、ということであろうか。

 だけどある程度大人になったら、どうぞ向こうの良いところである挨拶は、常識としてお互いに交わして欲しいところである。

 次の人のためにドアを押さえてあげるマナーも日本にはなく、帰国するたびに悲しく思う私であった。もう慣れちゃったけど。

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