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2017年5月19日 (金)

五十二 スイスへの旅

 さあ、三月下旬から四月上旬にかけてのヨーロッパは、楽しいパックのお休みである。街のあちこちに、可愛い玉子のお菓子が置かれている。学生たちにとっても、ちょうど試験が終わった息抜きになるのだ。コンセルヴァトワールではこうして年中、コンジェ(休日)が多かった。

 私とよっちゃんは、待ってましたとばかりに、旅行に出かけた。まさに、あての無い旅。行き先も、宿泊先も決まっていない旅に、一応、ドイツのバーデンバーデンあたりと狙いを定めて、車で高速をぶっ飛ばして出かけた。

 彼とは何度も旅行をしたが、こういうところが、私たちの気の合うところ。まさにOとBの、最強コンビである。

(お察しの通り、私が自由奔放でマイペースなB型。彼が、おおらかで包容力があり、かつ独占欲も強いO型。ちなみに、東北の彼氏と、現、夫は、完璧主義で物静かで、インテリジェンスなA型。なんてわかりやすい図式。私はかなり自由でひどい女なので、O型とは気が合うようで、誰と付き合っても喧嘩が多い。A型の男性とは、かなりの確率でうまくやっていける。A型大好物である。)

 そう、よっちゃんとは本当に、仲も良かったが喧嘩も多かった。私はすぐに他の男友達の話をするので(しなきゃいいのに)当然、独占欲の強い彼にはムッとくる。別に、男の話ばかりしていたわけではない。私には、男女問わず、面白い友人が多すぎるのだ。そんでもって、私がちょっと、ユキちゃんたちと遊びに行く時に、他の男どもも一緒だとわかると、大喧嘩になる。まあだいたい、友人ユキが悪友だったからだ、というせいもあるが。彼女は海外でもとてもモテたし、私たち二人は彼にとって、全く信用のおけない人物であった。

 彼と一緒に現地の飲み屋なんかに行ったりして、他の女の子たちから
「彼女、カワイイね。(←私のこと)心配でしょう?」
 なんて言われちゃったりすると、もうその後ケンカである。他の女性からもカオルは、そう見られているなんて!と、まるで私が尻軽女に見られたかのように、怒る。(まあそうだったけど)わたしゃ、一体、どうすりゃいいのさ?と、そのたびにムダな大げんか。

 だいたい、O型の彼氏と付き合う時は、いつもそうだった。私から言わせてみれば、面倒臭いし、非常に疲れる。周りの友人から言わせれば、それはお前が信用ならないからだという結論に達する。こんなケンカばっかりして、腰痛にもなるハズである。だけどA型の男性からは、呆れて放っておかれるので、ケンカはゼロである。あ〜楽ちん。今の夫なんて新婚の頃、「三つ子の魂百までもって言うだろ。この年までそうだったオマエの性格なんて、治らん。」とか言って、私は矯正を受けたことは皆無である。おお、なんてうまいモノの例え。感謝しきりである。

 ま、いいとして。そんなケンカが勃発する以外の時は、私たちはとても仲良しであった。

 前置きが長くなっちゃったけど、私たちはガラガラの高速道路を、時速百四十キロ超えでぶっ飛ばし、(あっちでは普通。ドイツ高速なんて四車線で、二百キロ近くは出ているであろう、ベンツやらポルシェなんかが追い抜いて来る。)オランダを越えドイツを越え、もっと先へ行こうと調子に乗って十二時間。着いてしまったのだ、スイスのマイエンフェルトに。もう、夜になってしまっていたから、スイスの山々は見えず、星空のみ。景色は明日の朝のお楽しみ、ということで、かけこみでホテルを見つけ、疲れた身体を休めるのであった。

 次の日にご対面するであろう、アルプスの山々を楽しみにして。

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