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2017年5月 2日 (火)

二十二 同級生たち

 ベルギーでは男女問わず、たくさんの出会いがあったわけだが、同級生たちとの出会いは、私の留学生活を賑やかで楽しいものにしてくれた。

 一緒に入学したユキちゃん。偶然、同い年だった。(いや彼女は年下だと吠えているが、早生まれの私としては、日本では学年は一つ違いでも、九月始まりの欧州ではもうどっちでも同じである。)

 私は誰かと友達になる時、たいてい一目惚れから始まるのだが、彼女の場合もそうだった。面白そうな、何か癖があって、コイツと話してみたい。と思わせるものがなければ、友達にはならない。ちなみに、恋人との始まりは、一目惚れだったことは未だかつてないです。不思議なことに。

 ユキはその豪快な笑い声も、煙草をスパスパと吸う仕草も、お酒を記憶が飛ぶくらいまで飲む姿も、存在感溢れる魅力的な女の子であった。あんまり書くと怒られるから控えめに。でも彼女とは苦楽を共にし、試験も仲良く一緒に落ち、カフェで呑んだくれては愚痴をぶちまけたものである。

 よく一緒にパリへのレッスンに行ったり、彼女との思い出は、酒とオトコ以外には、列車を乗り継いで共に座った記憶も多いが、ある時向かい合わせで座った男性陣に、どこの国か?と聞かれて、私たちは、ジャポネーゼ、と答えると、

「彼女が(私が)日本人だということはわかる。だけど君は、タイ人だろう?」

 と言われて、ユキはマジ切れしていた。

 列車で仲良く、作ってきたオニギリを大口を開けて食べ、車内の人々に物珍しげに見られたこともある。ちなみに、向こうの列車の中では、絶対に寝ません。危ないし、人前で寝る、なんてこと、ヨーロッパでは醜態をさらすようなことである。身構えていたって、スリに遭うような世界だ。私は一度、メトロで財布を見事にすられた。それは後ほど書くとして。

 毎年、夏休みなどに開かれるスタージュ(講習会レッスン)に、よせばいいのに彼女は当時危険だったイスラエルまで参加し、バスに外国人を乗せて、内戦の境目まで連れて行かれちゃったりして、危険な目にも一杯遭っている。ユーゴスラビアの空爆寸前まで、コンクールを受けに行き、日本大使館から連絡を受けて途中で引き返した友人もいた。私は節約の関係で、スタージュは受けに行かなかったけれど、イタリアのコンクールを受けたり、留学後半にはいろんな国を訪問した。そんな訳で、日本という島国の中にいる時よりも、新聞の国際欄は、すぐ隣で起きている出来事という感覚で、危機感を持って読んでいた。

 留学するくらいだから積極的な友人ばかりだったけれど、みんな、多かれ少なかれ、危険な目に遭ってはヒヤリとした思い出を持っている。まあ、命があって良かったけどね。

 ということで、友人たちとの思い出はまた続く。

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