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2017年5月25日 (木)

六十一 本番

 前日はど〜んとステーキを食べて精力をつけ、六月二十日、その日はやって来た。

 実技試験、当日。十四時に家を出る。吐き気を我慢しながら、無理やり昼食をとった。

 友人ユキは、ショワ(選択曲)をグラナドスにし、他にリストのポロネーズ二番、プロコフィエフのソナタ三番を用意していたが、ベートーヴェンのソナタop.10が当たり、全楽章弾かされていた。けっこう、ノッていたと思う。私はモーツァルトが当たった。

 ショワに、スクリャービンのポエム。持ち曲は、ブラームスの間奏曲op.117、プーランクの三つの小品から、パストラーレとトッカータ。モーツァルトのソナタ、K333である。

 コルニル先生は、私の出番になった時に席をはずしていて、まわりのジュリー(審査員)たちが大慌てをしていた。急いで戻った先生も、大慌てしていた。そんな中、私は落ち着いたテンポで弾き始めた。

 モーツァルトは、本当に難しい。テンポを整えながら、かつ音楽的に、指ははずさないように鍵盤を押さえるので精一杯だ。全体的にこじんまりとしてしまったのが残念だった。ホールにどう響いているのか、どのくらいの音量で勝負したらよいのかイマイチわからなかった。スクリャービンは、そういう意味でフォルテも出し切れなかったので悔しい。今後の課題としては、そういうことを全部踏まえた上で、もっと音楽を大きく作れるようになることだ、と心に誓った。

 仲良しの男の子も聴きに来てくれて、アンポゼみたいな曲を、どうやったら暗譜できるの?と驚かれた。そう、結局私は、本番も暗譜でやってのけた。結局のところ、暗譜の方が集中して弾けるからである。これは、正解だったと思う。

 とにかくも、二年目の実技試験は全て終了した。苦しい思いも一緒に吐き出し、当日に全てをかけた。夜は例によって、みんなでお祝い。一年分の苦労が、今日で全部終わったわけである。それはそれは、清々しい気持ちであった。身体は疲れてあちこち痛んだが、心は天にも昇るほど、軽かった。

 そして翌日、早々に、実技の合格発表がなされるのである。

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