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2017年6月14日 (水)

九十三 学生同士のリハーサル

 いよいよ、試験三日前。私たち学生らは、希望者だけで集まり、南駅近くの楽器店ホールにてレペティション(リハーサル)を行った。私はこの日、知人の披露宴だったので、二時頃抜け出してホールへと向かった。着いたらもうユキがいて、外でタバコを吹かしていた。

 メンバーは確か、ユキ、私、キボウちゃん、キョーコちゃん、それからMr.ミタだったように思う。他にも何人かいたかもしれない。ユキから最初に弾き始めたが、音もよく伸び、大胆で、とても上手くなっていた、と日記には書いてある。私は皆に、カオルちゃん、上手くなったねェ〜!と言ってもらった。嬉しかったと同時に、そっか〜、私ってそんなに下手くそだったんだなァ〜、なんて苦笑する思いである。他の皆んなは、いつものように素晴らしく上手に弾いていた。キョーコちゃんの、ベートーヴェンのソナタop.101がとても良かった、と記載されている。

 終わってから皆でカフェへ。盛り上がって、九時近くまで、三時間近くも話しに花が咲く。恋愛談、お笑い談。そしてMr.ミタの彼女が発覚する。密かに思いを寄せている子がいたので、期せずして失恋!となってしまった。残念。でも何を隠そう、私もミタ氏のことはタイプだったので、な〜んだ!なんて思ったりするのだが、彼には私のバカさ加減を気に入っていただき、カオルちゃん、今度また飲もう!電話する!と誘われた。本人は全く覚えていないであろうし、私も覚えてなかったけど。ああ、私って何でこういうオンナなんだろう。ほんとに書いていて呆れる始末である。よっちゃんがいるのに。

 帰宅するとオリビエ(大家さん)が、今モーツァルトの二十三番のコンチェルトを練習しているだろう、と話しかけてきた。大好きな曲らしい。私の試験を聴きに行きたいと言ってくれたが、その日はちょうど、ドイツに行くのでダメだと残念そうにしていた。そうそう、余談だけど、私とオリビエたちは、近所の建設工事反対の署名運動をしていた。裏の、鴨のいる池を取り壊して、ビルを建てると言うのだ。けしからん。そこはのどかで素敵な場所で、春になると必ず鴨たちが帰って来るところだったのである。そんなこんなで、私は特に、すっかりオリビエと仲良しになっていた。

 試験二日前には、来年度の学校のアンスクリプション(授業登録)と、学費の紙が届いていた。今年の実技試験もまだこれからだというのに、私はたまげた。う〜む。もっとピアノが上手になりたい。でも、私がもう一年、四年目の延長を決めると言ったら、親は嘆くだろうなあ。まあ、母は別として。

 私の勉強は、一体いつまで続くのだろう。何だか、とてつもないエベレストのふもとに来てしまったようで、私は少し切なくなった。無鉄砲に日本を飛び出した、昔の自分が懐かしくなった。でももうこうなったら、とりあえずの目標である明後日の試験を突破して、それからゆっくり考えるしかない。

 そしていよいよ、実技試験当日がやって来るのである。それも、予定より、1日早まって!

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