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2017年8月 3日 (木)

続編十二 ホームページ開設

 さて、エヴァが帰ってしまった後。 

 帰国半年後の五月にリサイタルを終え、夏休みのエヴァ来日まで駆け抜けた私は、ここで急にぽっかりとヒマになった。

 いや、正確に言うと、時間は前からあった。ヒマと言うよりも、目標を失ったのである。アレ?私は次に、何をすればいいんだ?と言う感じ。これには参った。私は漠然とした不安を抱えるようになった。

 秋になり、すっかり涼しくなる頃まで、私はとりあえず、父が買ってきたパソコンにハマることにした。ブラインドタッチの練習、メールの設定、それから、ホームページの作成。これは、その分野では得意中の得意である、高校の彼氏に教えてもらいながら、頑張って自分で立ち上げた。マニアなフロントページソフトを使って、一から作るので本当に大変だった。十一月二十六日。記念すべき、我がホームページの開設である。その後、少しずつページを増やしながら、リニューアルを繰り返して、現在へと続いている。

 まだブリュッセルに残っていた友人のユキとも、連絡が取りやすくなった。その頃彼女も、現地でネットを始めていたのである。世界が急に近くなり、ネットワークは広がった。そしてそんな中、友人ののらは赤ちゃんを身ごもり、先輩のアキカさんからも、結婚の報告が届く。彼女は日本で出会った彼と結婚したのだけれど、お二人の幸せそうな葉書に、私は嬉しくなった。

 一方私は、お見合いの君とこの頃、別れている。彼とはエヴァが帰った後、メールや電話だけとなっており、二ヶ月ぶりに会ってみたのだけれど、やっぱり私はこの人と結婚することはできないと確信したのだった。なかなか別れられなかったのは、彼がとても気のいい人だったので、いちいちタイミングを逃してしまっていたからである。最後の最後に、彼からは、私の結婚直前の演奏会の時に、大きな花束が届いてびっくりした。万歳、と書いてあった。それっきり、彼がどうしているかは、わからない。どうか幸せに暮らしていて欲しい。と、遊び人の男みたいに勝手なことを思う。

 十月下旬には、夫の師匠の演奏会を、表参道まで聴きに行った。

 そこで私は連れて行ったよっちゃんを、初めて夫に紹介している。

 ああ、早く身を固めたい…と思ったのを覚えているのだが、その帰りに私は高校の彼とも会っていて、罪悪感に襲われる。この頃はまさに、私生活の方でも目標が定まらず、二人の彼の間で揺れ動いている絶頂期であった。仕事も、プライベートも、半端な時期。でも、リサイタルのマネジメントをしてくれたマツザキさんは、新しい演奏の仕事をくれたり、ホルンの先輩からも伴奏の仕事を頼まれたり、また甲府での演奏が入ったりと、音楽活動はぼちぼち進んでいた。

 私の二〇〇〇年の秋は、そのようにして過ぎて行った。そして年末。

 その頃の私には想像もつかなかったのだけれど、新しい世紀と共に、私の生活もガラリと変わろうとしていた。二十一世紀は、まさに古き良き時代から、全く新しい時代への幕開けとなった。

 私の生活は、のらくらと前に進みつつも、確実に今に向かって歩み出すのである。

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