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2017年8月21日 (月)

続編二十一 高校の彼との別れ

 連絡を入れてきた、高校時代の彼。

 彼は今、私にどうしても会いたいと言う。仕方ない。私は、彼と会うことにした。今会えば絶対に別れ話になると思いながら。そして、私たちは、別れた。とても綺麗な別れだった。喧嘩も、罵り合いもなかった。今までのことが浮かんでは消える。でも、私にはもう、彼と続けてゆくことはできなかった。彼とはまた、いい友達に戻れるだろうか。

 私のもつれた交友関係は、その絡まった一本一本の糸を少しずつ探ってゆくかのように、解けて行った。私は真実を見始めようとしていた。自分の心の中から、東北の彼が去り、お見合いの君が去り、高校の彼も去り。そしてここで始めて私は、よっちゃんという人と向き合うことになる。四年間、共にベルギーでの生活を送り、その想い出を共有した人。私のことをよくわかっていて、大切に思ってくれているだろう、優しい彼。私はその彼をずっと裏切ってばかりいた。でも、そんな私を知っていながら、彼はなんだかんだと一緒にいてくれる。

 頭では、わかっていた。この人は大切な人だ。別れられない。それなのに、私はいざここで彼に会うと、息が詰まりそうになってしまった。心の中にはコヤマ君が入り込み、今、よっちゃんと会っていても、心はからっぽだった。今まで、こんなことはなかった。誰と付き合っていたって、また誰と別れたって、一緒にいられないと思うまで苦しく思うことなどなかった。でも、その時の私は完全にギブアップだった。水面ギリギリまで酸素を求めて顔を出す魚のよう。今の私には、コヤマ君や、珈琲屋のみんなとワイワイやっている方が気楽で楽しい。一人でいられなかった。お店のみんなに会いたかった。行ってみたら、ちょうどバイト仲間の一人のお別れ会で、深夜大宴会の真っ最中であった。

 気分転換。救われた私。心からホッとした。

 そして、煮詰まってどうにもならなくなった私は、急遽、東北に旅することにした。例の、東北の彼から連絡が入ったのである。

 私は、翌日の新幹線に飛び乗った。心の中の、ずっしりと重たい気持ちを、綺麗さっぱり洗い流して来るつもりで。

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