食べ物

2017年5月 2日 (火)

二十二 美味しい国ベルギーその三

 えーと、ベルギーはチョコレートも有名ですよね。

 高級チョコはゴディバが有名だと思うけど、何もそんなの買わなくたって、普通のスーパーで買う三百円くらいのチョコでも十分美味しい。

 私がお土産によく買って帰ったのは、スーパーで売られているコートドールという箱入りチョコで、二口サイズくらいの板チョコが一枚ずつ綺麗に包まれて並んでいる。これはとても美味しかった。

 ゴディバは日本で買うよりずっと安い。だから私は貧乏だったけど、たまにゴディバの店に行って(うちのすぐ目の前の通りにあったのだ)小さい箱にトリュフをぎっしり詰めてもらって大事に食べたりした。ゴディバのチョコの中では、ミントスティックチョコが好きであった。日本でもあるのかなあ?見たことないけど、誰か知ってたら教えて下さい。

 ブランドチョコは、他にもヴィタメール、ノイハウス、レオニダスなどたくさんあるけど、まあ騙されたと思って、ベルギーに行ったらスーパーのチョコを買ってみて下さい。美味しいから。

 ベルギーのブランドチョコ店は、ブリュッセルのグランプラスへ行けばたくさん並んでいるけれど、そこから少し坂を上って行くとサブロン広場の方へ出て、(コンセルヴァトワールはそのあたりだった)その途中にところどころ、ピタ屋さんというのがあったりする。

 ピタというのは小麦粉で焼いた丸くて薄い、ピザがちょっと厚ぼったくなったような生地で(事実、これがピザの起源らしい)中東や北アフリカあたりの食べ物。これに、ケバブなんかの、野菜だの豆だの肉だのをギュウギュウに詰め込んで、色んなソースをかけて食べる。はっきり言って、食べにくいがウマい。

 バゲットサンドウィッチも学生たちの味方であった。町のバゲット屋さんに並び、焼きたてのバゲットに、フロマージュ(チーズ)やハムなど、自分で選んだものを挟んでお昼にパクパク食べながら歩く学生は多かった。パン屋と薬局は本当に多くて、どこを歩いてもあるんだけど、学校の近くにあるパン屋で食べられるランチメニューはとっても美味しかった。中がカフェになっており、寒い日なんかに、あったか〜い「本日のスープ」と、生肉のパテを塗ったパンにオリーブ油とパルメザンなんてかけて食べたらもう幸せだった。

 街のあちこちにはカフェがあり、昼間っからみんなビールを飲んでいる。うちの目の前にも一軒あったので、練習に疲れた時、気晴らしに入ったりしていた。

 うちの近所、で思い出したけど、隣のチェコビール屋さんは、すっごく美味しいシュークルートを置いていたし、お肉屋さんは、美味しそうな串刺しアニョー(羊)やソーセージなんかを置いていて、私は自宅でクスクスを作る時によく買って添えた。

 余談だけど、ブリュッセルのお肉屋さんには、日本のような「豚肉薄切り」が置いてなくて、生姜焼きが食べたくなった私は、「薄く切って!こんな風に!」とよくお願いして、変な顔をされたものである。

 スーパーに並ぶ骨つきのプレ(鶏肉)は本当に美味しい。骨つきじゃない鶏肉なんてなかったかも。それから子牛の肉もよく出回っているんだけど、柔らかくて大好きだった。学食ではウサギの肉も出たけど、自分で料理したことはない。これも美味しかったな。

 練習に疲れた時、ベトナミアンや中華などは本当によく行った。やっぱりアジア人。落ち着くのである。中華はご存知の通りだと思うけど、ベトナム料理はとっても美味しい。ちょっと甘酸っぱいソースは食欲をそそられます。

 そんなこんなで、ブリュッセルという街は、娯楽は少なかったけど食がいわゆる娯楽のようなもので、あちこち食べ歩いては幸せな気分に浸っていました。

 コンビニもなく、自炊オンリーの貧乏学生。ほとんど料理のできなかった私が、この四年間の美味しい国での生活で、舌も腕も上がったのは間違いない。

2017年5月 1日 (月)

二十一 美味しい国ベルギーその二

 フリッツ、ビールとくれば、ムール貝である。

 ムールの美味しいお店は、すぐに先輩方が連れて行ってくれた。よくツアーなんかで行く、グランプラスのムール貝レストランよりも、街中に入ったところの方が断然美味しい。1キロか、1キロ半か、どちらかの量を選ぶと、鍋ごとドカッ!と出てくる。最初見た時は「ムリ!」って思うんだけど、その美味しさに、ペロッと平らげてしまう。白ワイン風やプロバンス風で煮込まれており、ムールを平らげた後は、バゲットをスープにつけていただくとこれが絶品。ちなみにムールは、食べた貝を使って挟みながら食べます。

 それから日本でも有名なベルギーワッフル。フランス語では「Gaufre(ゴーフル)」と言う。

 これは、日本でよく見かけるのが楕円形の、少し厚めのワッフルだと思うんだけど、(リエージュワッフルと言う)私はもう一つのタイプの、ブリュッセルワッフルが大好きだった。四角くて、サクサクしていて軽い。別にワッフル屋さんに入らなくたって、スーパーに売ってる袋入りワッフルを買ってきて、トースターで焼いて食べても大変美味しい。

 でもお気に入りだったワッフル屋さんは、グランプラスから小便小僧に向かう途中にあるレストランで、そこの二階で食べるワッフルは頬っぺたが落ちそうなくらい美味しかった。大きなお皿にドーンと焼かれたワッフルに、フランボワーズや、木苺などのソースをかけて食べる。添えられた生クリームも、軽くてフレッシュ。ソースなしで、粉砂糖をかけてシンプルに食べるのもまた美味しい。ああ、食べたくなってきた。

 それから世界各地の料理も、ベルギーの中にはたくさんの名店がある。

 モロッコ料理の、クスクス屋さん。ちょっと怪しげな地区に足を踏み入れると、それはある。ブリュッセルという町は、一本路地に入っただけで住民層が違ってきたりするのだが、はじめのうちはそれに気づかなくて、平気で危険度が高い地区に歩いて行ってしまったりするので、来て間もない留学生などは要注意である。私は何度か黒人さんたちに囲まれて怖い思いもした。それについては後日。

 で、クスクス料理屋なんだけど、これがまた美味しい店が一軒あって、そこには北島三郎そっくりなモロッコ人のウエイターが居た。日本人たちは密かに「サブちゃん」と呼んでいた。サブちゃんはとてもいい奴で、大皿にドッサリとクスクスを運んできては、「おかわりはどうか?」と訊く。いや、もうお腹一杯だよ!と言うと、「何だ、もっと食べなきゃダメだぞ!」と怒りながらウインクしてみせた。

 クスクスというのは、パスタを粒にしたようなもので、それに野菜や肉で煮込んだ絶品スープをかけて食べる。アニョー(羊)やブフ(牛肉)、プレ(鶏肉)などもチョイスできる。食後には甘い甘いお茶を頼むととても美味しい。久しぶりにブリュッセルを訪れる時、必ず立ち寄るのがこのクスクス料理店である。サブちゃん、まだ元気かな。

 美味しいものの話は、まだまだ続きます。
 

二十 美味しい国ベルギーその一

 さて、レッスンの話が続いたところで、ベルギーという国の魅力のひとつ、食について語ってみようと思います。

 何を隠そう、ベルギーと言えば食べ物。寒くて年中どんよりとしたこの国で、この楽しみがあったからこそ、四年間も生活できたと言っても過言ではない。ベルギーの美味しい食べ物と言われて、何を思い浮かべますか?ワッフル?チョコレート?いいえ、それだけではありません。とにかく、世界各地の食べ物が美味しいのであります。まさに、ヨーロッパのグルメ中心部。

 学生が気軽に食べることができるB級グルメから始まって、高級レストランまで、本当にこの国はレベルが高かった。私の肥えた舌はこの時代に作られている。結婚するなら、同じく舌のレベルの高い人がいいというのは理想の第一条件だったけど、我が夫は見事クリア。まあそれはいいとして、当時、ガリガリに痩せていた私は、体重など気にすることなく、食べ放題に食べることができた。

 日本からベルギーにやって来ている若者たちというのは、音楽留学生、料理人、日本食屋で働く者たちが多かったが、単身赴任のおじさんたちにモテモテだったのは、我ら音楽留学生女子一同であったのは言うまでもない。そういうオッサンたちに抜かりなくついて行き、よく高いレストランでご馳走になったものである。おじさまたちも、若い女の子たちを連れて行くのは嬉しいし、何よりも「女性同伴で行く」のはヨーロッパの作法でもあるからして、日本人サラリーマンたちが男たちだけで飲んでる姿なんぞを見かけた時は違和感を感じたものである。

 高級料理も唸るくらい美味しかったけれど、
(実際、フランス料理は、本場フランスよりも美味しいのではないかと評判であった。私はフレンチはあまり行かず、もっぱら和食小料理店なんかがお気に入りだったけど)
なんと言ってもご紹介したいのはB級グルメである。どこまでがB級かはわからんが、とにかく美味しかったあの食べ物たち。どこから紹介してよいのかわからないほどある。

 まずは、ベルギー人たちがこよなく愛する、フリッツ。いわゆるフライドポテトですね。
 これは、街角のあちこちにフリッツ屋さんが出ているんだけど、何十種類ものソースの中から好きなものを選んで、でっかい袋にガサッ!と熱々のポテトを入れてくれる。それを、ベルギービールと一緒にベンチで食べたらもう絶品。お腹大満足である。大家さんの娘、エヴァは、フリッツ屋さんを見つけると必ずパパにおねだりして、「家で揚げればいいだろう!」と叱られていた。そう、各家には必ずフリッツ揚げがあり、ジュージューと揚げて食べる。あ〜うまそう。たまらない。

 それからビールはご存知の通り、その種類は数えたらきりがない。水を買うよりも安いので、とりあえずビールを買っとくんだと、酒飲みの友人たちは言っていた。私が大好きだったのはブロンシュ(白ビール)。それから、木苺などで作った果実ビール。父がやってきた時も、「うまい!」と感激していた。が、不思議なことに、日本で飲むそれは全く違う味に感じるのである。美味しいことは美味しいが、ベルギーで飲むあの爽やかで、抜群な美味しさとは違うように感じる。気候のせいで、味わいも変わってくるのだ。だからぜひ、ベルギービールを味わうのなら、現地にてお願い申し上げたい。父は、空港の検査で放射線を浴びて味が変質するのではないか、と本気で言っていたけど。

 ああ、でも一つだけ。毎年日本の各地で開かれる「ベルギー祭り」これは、レベル高いです!私はよく、妹と山下公園の祭りに参加するのだが、ベルギービールが生ジョッキで飲める。それからフリッツもマヨネーズをつけて売っている。これが、めちゃめちゃうまい。正直、あまり期待して行かなかったのだが、思わずおかわりを何杯もしてしまい、午後の仕事が憂鬱になってしまったこともあるので、休日に行くのがオススメです。混んでるけど。

 あ〜ダメだ、この記事を書くのが一番楽しくて、長くなりそう。まだまだ美味しいものは続きますので、ご紹介は次回へ続く。

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